竹夫人(読み)チクフジン(英語表記)zhú fū rén

デジタル大辞泉 「竹夫人」の意味・読み・例文・類語

ちく‐ふじん【竹夫人】

夏、寝るときに暑さをしのぐために用いる竹のかご。抱いたり足をのせたりする。抱きかご。 夏》「天にあらば比翼のかごや―/蕪村

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改訂新版 世界大百科事典 「竹夫人」の意味・わかりやすい解説

竹夫人 (ちくふじん)
zhú fū rén

昔,中国で夏寝るときに涼を取るために,抱いたり手足をもたせたりする,1mから等身大の円柱形の竹製の籠。丸のままの竹筒通風の穴をあけたものも用いた。〈竹几(ちくき)〉〈竹姫〉〈竹奴〉〈青奴〉などともいう。唐代は〈竹夾膝(ちくきようしつ)〉と呼び,宋代に至って俗に〈竹夫人〉と呼んだ。冬の湯たんぽの〈湯婆子〉(湯の女房の意)と同巧の命名法である。日本にもかつて伝えられ,俳諧季語にもなった。
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百科事典マイペディア 「竹夫人」の意味・わかりやすい解説

竹夫人【ちくふじん】

暑中,涼をとるために抱いて寝る円筒状の籠(かご)をいう。長さは150cm程度で,本来は竹編みだがトウなども使用抱籠,添寝籠とも。中国では古くから用いられ,宋代に俗に〈竹夫人〉と呼ばれた。日本にも伝来し,俳諧の季語にもなっている。

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