話説(読み)ワセツ

デジタル大辞泉 「話説」の意味・読み・例文・類語

わ‐せつ【話説】

話してきかせること。また、語られた話。説話
一条小説的―でもありそうに」〈子規・墨汁一滴〉
中国の古い口語から》話に入るときに用いる語。江戸時代読本などで多く用いられた。さて。
「―す。きのふは奇々怪々といふ事が目下にありやした」〈滑・浮世床・二〉

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精選版 日本国語大辞典 「話説」の意味・読み・例文・類語

わ‐せつ【話説】

〘名〙
① 話すこと。語ってきかせること。また、語られた話。説話。
※雑話筆記(1719‐61)上「一場の話説やなどのちょこすかしたことを言質に取て」 〔顔氏家訓‐風操〕
② 中国の古い口語で、物語をはじめる最初の「さて」「話をしてみるに」というほどの意味のことば。宋代に流行した講談が、この語で話しはじめられたところから、中国の白話小説、およびその影響下にある江戸時代の読本などで冒頭に多く用いられた。
黄表紙・箕間尺参人酩酊(1794)「物に序語あり発語あり。仏教の如是我聞、小説の話説(ワセツす)

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普及版 字通 「話説」の読み・字形・画数・意味

【話説】わせつ

語る。〔顔氏家訓、風藻〕北人何(ゆゑ)無くして、爾(たやすく)話し、相ひ訪問するにぶ。此(かく)の如きの事、人に加ふべからざるなり。

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