越荷方(読み)コシニカタ

デジタル大辞泉 「越荷方」の意味・読み・例文・類語

こしに‐かた【越荷方】

江戸時代に、長州藩村田清風下関に設置した藩営の商社越荷を、大坂での相場が安いときには下関に留め置き、高値のときに売るなどして利益を得た。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「越荷方」の解説

越荷方
こしにかた

長門国萩藩撫育方出先機関。1763年(宝暦13)検地による増収分を基金として,別途会計の機関の撫育方を設け,新田開発・殖産興業・士民の救済策などの事業を展開した。越荷方はこの事業の一環として設立された。越荷とは北前船をはじめとする他国廻船のもたらす商品のことで,越荷方はこれら商品を抵当とする資金の貸付けや委託販売・倉庫業などを行った。はじめ下関の伊崎新地に設立されたが,瀬戸内における廻船の増加もあり,のち萩・山口三田尻にも設立された。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報