輪西(読み)わにし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「輪西」の意味・わかりやすい解説

輪西
わにし

北海道南西部、室蘭市(むろらんし)の一地区。絵鞆(えとも)半島本島に続く陸繋(りくけい)部にあり、1887年(明治20)屯田兵入植したが、土地条件が悪く成功しなかった。現在は新日鉄住金室蘭製鉄所の工場敷地や社宅で占められ、またJR室蘭本線輪西駅を中心に商店街や銀行街が形成され、国道36号が通じる。1929年(昭和4)以前は、現在の本輪西を含む室蘭港の東側一帯をさした。

[奈良部理]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「輪西」の意味・わかりやすい解説

輪西
わにし

北海道南部,絵鞆 (えとも) 半島の頸部に位置する室蘭市の工業地区。地名アイヌ語ハルウシ (食糧のあるところの意) に由来。 1889年屯田兵の入植で開村したが,1907年輪西製鉄所 (現新日本製鐵) が建設されて急速に発展。室蘭港の東岸を占め,港湾施設も整い,製鉄所を中心に重工業地帯を形成している。

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世界大百科事典(旧版)内の輪西の言及

【室蘭[市]】より

…1872年(明治5)札幌への玄関口として室蘭港が開港し,森(渡島支庁)への定期航路が開かれ,73年札幌本道が完成した。また87年ころには半島基部の輪西(わにし)に屯田兵村も設置されたが,泥炭地のため失敗した。92年夕張炭鉱の石炭輸送のために輪西~岩見沢間に北海道炭礦鉄道(現,室蘭本線)が開通,以後室蘭は小樽とともに石炭積出港として発展した。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」