鏑矢伊勢宮方記(読み)かぶらやいせみやがたき

改訂新版 世界大百科事典 「鏑矢伊勢宮方記」の意味・わかりやすい解説

鏑矢伊勢宮方記 (かぶらやいせみやがたき)

伊勢の外宮神主家檜垣(ひがき)兵庫家に蔵されてきた古文書類別集録した書。2巻。書名はその檜垣家の家紋鏑矢であることより付けられたものであるが,もとの名は《檜垣兵庫家証文旧記案集》,また別名《檜垣文書》《一櫟(いちき)文書》という。外宮禰宜(ねぎ)度会(わたらい)常副・度会常基の編。1663年(寛文3)世が安定し,神宮もようやく復興したそのころに,常副・常基が鎌倉時代より戦国末期にいたる古文書を集録したもので,武家の神領寄進また武運祈願関係のものが,その大半を占める。中世における神宮神領とその変遷,また武家一般の崇敬をみるうえでの貴重な資料の一つ。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報