χ2分布(読み)カイじじょうぶんぷ(その他表記)χ2-distribution

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「χ2分布」の意味・わかりやすい解説

χ2分布
カイじじょうぶんぷ
χ2-distribution

数理統計学の正規標本論における基本分布の一つ。 U1U2 ,…,Un を互いに独立で,それぞれ標準正規分布 N(0,1) に従う確率変数とするとき,U12U22+…+Un2確率分布を自由度 n の χ2 分布 χ2(n) と定義する。 n 個の正規変量 U が中心0からどれだけ離れたふるまいをするかを表わす量であり,現象のかたより,ランダム性を記述するときに広く用いられる。たとえば,分散 σ2 の正規母集団からの大きさ n の標本に基づく標本分散 (ばらつきの尺度) 2 の確率分布は,χ2(n-1) で表わされる。これにより,母分散 σ2 に関する検定が行われる。また,データの実験仮説からのかたよりを表わすピアソンの χ2 統計量も,漸近的に χ2 分布に従うので,これに基づいて適合度検定が行われる。これら,χ2 分布を用いる検定を,χ2 検定ということがある。

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百科事典マイペディア 「χ2分布」の意味・わかりやすい解説

χ2分布【カイにじょうぶんぷ】

数理統計学で仮説検定に用いられる分布の一つ。母集団にm種のものがそれぞれp1,p2,…,p(/m)の比率で含まれているとき,これからランダムにn個の試料をとり出したときnp1,np2,…,np(/m)に分布することが期待されるが,実現した試料分布がn1,n2,…,n(/m)だったとすると,(式1)の値はmが十分大きいとき,自由度m−1のχ2分布に従う。出現率や独立性の検定,分散区間推定など用途が広く,これを用いた検定をχ2検定という。→F分布t分布正規分布

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