アイフェル山地(読み)あいふぇるさんち(その他表記)Eifel

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アイフェル山地」の意味・わかりやすい解説

アイフェル山地
あいふぇるさんち
Eifel

ドイツ中西部、ライン川の西、モーゼル川の北にある高原。標高は平均約600メートル、最高点746メートル。小規模の成層火山、噴石丘、溶岩円頂丘、溶岩塔、溶岩流、爆裂火口マールなどがたくさんあり、これらは、古生代デボン紀の堆積(たいせき)岩類を貫く、第四紀更新世(洪積世)のナトリウムカリウムに富んだマグマの活動で生じたものである。また、火砕流堆積物、軽石、火山灰層が全域を覆い、火山の展覧会場のようである。マール(爆裂火口の一種。多くは水をたたえている)は、深さ52メートルのラーヘル湖をはじめ、大小40以上あり、大部分は現世初頭(1万~8000年前)に生じたらしい。夏は保養地として、冬はウィンタースポーツの適地として来遊者が多い。

諏訪 彰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android