アウグスチノ会(読み)アウグスチノかい(英語表記)Augustinians

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アウグスチノ会」の意味・わかりやすい解説

アウグスチノ会
アウグスチノかい
Augustinians

アウグスチノ共同生活規則をとる修道会の総称。3つの規則が伝わっているが,『神の下僕のための規則』 Regula ad servos Deiのみが教父アウグスチヌスの手になるもので第 211書簡がそれである。タガステの共同生活とそれを継続したヒッポの修道院でアウグスチヌスの追求した理想は,自発的に営まれる清貧貞潔,従順の共同生活であり,内面外面を問わず中庸が尊ばれた。アウグスチノ修道会は7つの騎士修道会,ドミニコ会,プレモントレ会,聖母マリアの下僕会,ノラスコ会,聖三位一体会,アレキシオ会,看護修道会らを含み,同じ規則をとる女子修道会をアウグスチノ修道女会と総称する。アウグスチノ会はアウグスチノ修道参事会とアウグスチノ隠修士会に大別される。アウグスチノ修道参事会 Canonici Regulares St. Augustiniは古くから模倣されていたアウグスチヌスの共同生活の理想を継承した参事会を正規の修道会に組織替えしたものであり,多くの修族をもち,中世末期には非常な繁栄をみたが宗教改革以後衰えている。アウグスチノ隠修道士会 Ordo Eremitarum St. Augustiniはアレクサンデル4世の大勅書によって 1256年多くの隠修士会より形成され,中世末期から近世にかけて多くの人材を輩出させ,現在も西ヨーロッパおよび南アメリカで活動している。また女子修道会はアウグスチノ女子修道参事会,履靴と跣足のアウグスチノ女子隠修会などに大別されるが,いずれも中世に普及したものの現在ではかつての繁栄はない。

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