日本大百科全書(ニッポニカ) 「アオウオ」の意味・わかりやすい解説
アオウオ
あおうお / 青魚
[学] Mylopharyngodon piceus
硬骨魚綱コイ目コイ科に属する淡水魚。チンヒーともよばれる。原産地の中国だけでなく、世界中の華僑(かきょう)居住地で養魚が盛んに行われている。中国四大家魚の1種。日本へも明治初期から何回も移入され、利根(とね)川などに放流されたが、近年、利根川での繁殖が確認された。外形はウグイに似ているが、鱗(うろこ)が大きく、全体に青黒い。大きい河川に生息し、肉食性で、底生動物とくに巻き貝類を主食としている。全長60センチメートルぐらいで成熟し、成長すると1メートルに達する。利根川での産卵期は春から夏で、産卵行動には不明な点が多いが、比較的近縁のソウギョとほぼ同じようである。中国では重要な食用魚である。
[水野信彦]