日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカハナグマ」の意味・わかりやすい解説
アカハナグマ
あかはなぐま / 赤鼻熊
ring-tailed coati
[学] Nasua nasua
哺乳(ほにゅう)綱食肉目アライグマ科の動物。大陸中央部およびパタゴニア地方を除いた南アメリカに分布する。海岸沿いの平地から3000メートルの高地にまで生息する。体長55センチメートル、尾長45センチメートル。体は赤褐色で、のどから腹にかけての下面は明色になっている。尾は淡褐色で、黒色の輪が8本前後ある。昆虫、果実、ネズミなどの小動物を食べる。飼育下でもよく繁殖し、日本でも例が多い。餌(えさ)はなんでも食べるが、リンゴ、バナナなどの果実、ふかしイモ、卵、肉などを与える。2歳で成熟し、2か月半の妊娠期間ののち、巣箱の中で2~7頭の子を産む。生後10~15日で目が開き、1か月半ほどで離乳する。14年以上生存した例がある。
[祖谷勝紀]
『今泉吉典監修『世界の動物 分類と飼育2 食肉目』(1991・東京動物園協会)』