アカバナジョチュウギク(読み)あかばなじょちゅうぎく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカバナジョチュウギク」の意味・わかりやすい解説

アカバナジョチュウギク
あかばなじょちゅうぎく / 赤花除虫菊
[学] Tanacetum coccineum (Willd.) Grierson
Chrysanthemum coccineum Willd.

キク科(APG分類:キク科)の宿根草。別名ベニバナジョチュウギクアカバナムシヨケギク西南アジア原産。茎は高さ40~70センチメートル、根生葉は羽状複葉または羽状深裂。茎上部の葉は欠刻中裂で10~30センチメートル。6~7月に5~7センチメートルの頭状花を単生する。花色は一般に淡紅色から濃紅色であるが、白色または淡紫色の品種もある。一般には一重咲きであるが八重咲き(管状花の発達した丁字(ちょうじ)咲き)の品種もある。近縁のシロバナジョチュウギクT. cinerariifolium (Trevir.) Sch.Bip.(C. cinerariifolium Visiana)と同様、ピレトリンを含むので、頭花から除虫剤をつくる。繁殖は実生(みしょう)で秋または春播(ま)き。株分けもできる。

[岡田正順 2022年1月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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