日本大百科全書(ニッポニカ) 「アジア歴史資料センター」の意味・わかりやすい解説
アジア歴史資料センター
あじあれきししりょうせんたー
Japan Center for Asian Historical Records(National Archives of Japan)
日本政府が保管する近現代の日本とアジア諸国にかかわる歴史的資料を、インターネットを通じて公開する電子資料センター。第二次世界大戦後50年を機に村山富市(とみいち)首相(当時)が構想を掲げ、1999年(平成11)の閣議決定に基づき、2001年(平成13)11月に発足した。運営は国立公文書館。日本とアジア近隣国との歴史資料を広く一般に無料公開すると同時に、近隣国との相互理解の促進に役だてるねらいがある。所在地は東京都文京区本郷。戦前のアジア関係資料に関しては世界有数のデータベースである。センターは国立公文書館、外務省外交史料館、防衛省防衛研究所が所蔵する明治期から太平洋戦争終結までの資料について、約2800万を超える画像データとしてネット公開している。戦前の政策決定・遂行状況がわかる公文類聚(こうぶんるいしゅう)、天皇の署名文書、外務省記録、陸・海軍関係資料のほか、国交回復、戦後賠償、日中国交正常化などの戦後の資料の公開も始めている。
[矢野 武 2017年6月20日]