公文書館(読み)こうぶんしょかん(英語表記)archives

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

公文書館
こうぶんしょかん
archives

国または地方公共団体の諸機関が保存してきた公文書が利用上の価値を失ったのちもなお歴史上の価値を認められた場合,これを集中的に保管し,研究や一般利用に供する官公立の施設。その起源はエジプト,ギリシア,ローマ時代に発し,中・近世ヨーロッパにいたるまで発達の跡は明らかである。特にフランス革命以後の欧米諸国において,こうした施設の整備,法制化への努力が積み重ねられ,文書取扱者の養成や教育,関連図書および雑誌の発行,年次大会開催などの活動を積極的に行なっている。フランスでは 1789年に創設され,文化省公文書局のもとに国立公書館および県単位の地方文書館がある。オランダでは 1802年創設,教育科学文化省のもとに中央文書館と州単位の地方文書館がある。イギリスは官公記録顧問会のもとに官公記録局を,アメリカは独立の国立公文書館を 1934年に設立,旧ソ連は中央公文書館を置くなど,世界各国に類似の施設がある。日本では 1971年7月,総理府のもとに国立公文書館を東京の北の丸公園に開設し,内閣文庫を吸収した。なお,公文書館の戦時保護は 1907年のハーグ条約付帯決議事項によって定められ,各国はその義務をもつ。

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デジタル大辞泉の解説

こうぶんしょ‐かん〔‐クワン〕【公文書館】

歴史的に重要な公文書を一元的に保管し、一般に公開する機関および、その施設。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

公文書館
こうぶんしょかん

行政上、歴史上重要な公文書を集中的に保存し一般の利用に供するための公の施設をいう。ヨーロッパ諸国では近代的な公文書館制度が早くから発達していた。わが国では、国立公文書館がある。これは1971年(昭和46)に総理府(現内閣府)の施設等機関として設置され、その後2001年(平成13)に、中央省庁等の再編に伴い独立行政法人となったもので、保存・一般利用のほか、公文書の有効活用を図るための調査・研究をも目的としている。2000年に施行された国立公文書館法(平成11年法律79号)により、国が有する歴史資料として重要な公文書等の保存および利用に関する責務を果たす施設として位置付けられた。[平田和一]

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世界大百科事典内の公文書館の言及

【文書館】より

…文書館として十分機能しはじめたのは1840年代以降で,国立古文書学校(1821設立)による文書館員の養成が寄与している。イギリスでは,1838年の公文書法の公布によって,ロンドンに公文書館Public Record Officeが設立され,文書長官Master of Rollsの下に統合的に保管されることになった。第1次大戦中には,戦時文書・記録の保存問題を契機として,文書館学,保管文書についての原則が確立した。…

※「公文書館」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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