日本大百科全書(ニッポニカ) 「アッテルボム」の意味・わかりやすい解説
アッテルボム
あってるぼむ
Per Daniel Amadeus Atterbom
(1790―1855)
スウェーデンの詩人、文学者。ウプサラ大学の哲学、美学教授。ドイツ・ロマン派の強い影響のもとに、友人たちと「オーロラ協会」を設立(1807)、機関誌『フォスフォロス』(1810~1813)に詩、論文を発表、文学革新運動に携わる。短い詩以外に、民話を素材とした長編の詩劇『青い鳥』(1814)、『幸福の島』(1824)がある。新運動の首唱者であった彼も、しだいに保守化し、次の時代の自由主義的な動きにはなじめず、晩年は詳細な評伝『スウェーデンの予言者と詩人たち』(1841~1855)の著述に没頭した。
[田中三千夫]