日本大百科全書(ニッポニカ) 「アトラト川」の意味・わかりやすい解説 アトラト川あとらとがわRío Atrato 南アメリカ大陸の北西端、コロンビア西部の低い海岸山脈とコルディエラ・オクシデンタル山脈との間の低地を北流し、カリブ海側のウラバー湾(ダリエン湾最奥部)に注ぐ川。長さ約700キロメートル、流域面積3万5000平方キロメートル。流域は世界有数の多雨地域で、熱帯雨林に覆われている。沿岸最大の都市キブドの年降水量は7140ミリメートルもあり、このため一年中水量が豊富で、可航区間は550キロメートルに及ぶ。流域の住民は黒人またはムラトーが大部分を占め、人口密度は1平方キロメートル当り5人と低い。流域では木材のほか金、白金を産する。[松本栄次] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アトラト川」の意味・わかりやすい解説 アトラト川アトラトがわRío Atrato コロンビア北西部を流れる川。アンデスの西部山脈西斜面に源を発し,山脈を流下したのち,曲流しながらほぼ北流してカリブ海のウラバ湾に注ぐ。全長約 670kmであるが,熱帯雨林の繁茂する多雨地域を流れるため,流量がきわめて大きく,毎秒 5000m3に達する。これに伴って大量の土砂が運ばれるため,河口の三角州が急速に発達している。河口から上流沿岸のキブドまで航行可能。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報