ある地域の人口と土地の面積の関係を表す数値。人口を当該人口の居住する土地の面積(単位面積としては通常1km2または1平方マイルが使われる)で割った数値で示すのが一般的である。逆に面積を人口で割る方式もある(人口希薄地域に適している)が,古くはこのほうが一般的であった。どちらの方式にせよ,土地の面積には河川,湖沼,山岳等の非居住地域も含む。また行政区画を単位として計算される人口密度=普通人口密度に対し,特殊人口密度と呼ばれるものがある。これには,たとえば分母に全国土の面積に代えて農用地面積をとるもの(対農用地密度)がある。日本の対農用地密度は1km2当り2000人を超え,普通人口密度の300人強を大きく上回って,世界有数である。このほか,特殊人口密度としては,人口とこれを支持する経済力との関係を表す経済的人口密度(地域の総所得,生産指数等が経済力指標として用いられる)や住宅数と地積との関係を表す住宅密度等がある。
人口密度は多くの要因によって規定される。一般には,気候,地形,地質等の自然的要因と,文化,経済等の社会的要因があげられよう。平地では人口密度が高く,山地ではきわめて低い。平地であっても砂漠では人間の居住が困難であり,人口密度はきわめて低くなる。経済,文化の発展しているところでは人口も多く,人口密度は高くなる。世界のおもな地域についてみると,ヨーロッパ,アジアが高く,オセアニアは極端に低い。
→人口 →人口分布
執筆者:黒田 俊夫
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ある地域に居住する人口の疎密の度合いを示す数値。通常、人口をそれが居住する土地の面積で割り、単位土地面積(1平方キロメートルまたは1平方マイルが使われる)当りの人口で示される。
[一杉哲也]
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