アナーヒター(英語表記)Anāhitā

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アナーヒター」の意味・わかりやすい解説

アナーヒター
Anāhitā

古代ペルシア神話における聖なる水の女神。フルネームは,Aredvi Sūra Anāhitā。 Aredviは「湿りけのある」,Sūrāは「強い」,Anāhitāは「純潔な」の意。同名の河を神格化した大女神で,インドのサラスバティー女神と共通点が多い。星の間に住み,勇気ある高貴さをそなえて,4頭立ての戦車に乗って進み,悪魔や暴君などを打負かす。また,自然と生物の多産を約束し,鳥獣牧場を保護し,王権の守護者でもある。痩身の処女で,星飾りのある金の冠と耳飾りと首飾りをつけているといわれるが,この女神本来の姿かどうか明らかではない。小アジアでは,ギリシアの Anaitisの形で崇拝された。

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