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耳飾り ミミカザリ

デジタル大辞泉プラスの解説

耳飾り

堀越真による戯曲。1981年、第25回岸田国士戯曲賞の候補作品となる。

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大辞林 第三版の解説

みみかざり【耳飾り】

耳たぶにつける装飾品。イヤリング。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

耳飾り
みみかざり

耳たぶにつける装身具をいう。もともと耳たぶに穴をあけて飾り輪を通したことから、イヤリング、つまり耳輪の名が生まれた。今日ではネックレスや指輪に次ぐ日常的な装身具として、おもに女性の間で広く愛好されている。耳飾りをつけるには、普通、ピアス式(耳たぶに穴をあけ、穴に通してつける)、クリップ式(クリップで耳たぶを挟む)、ねじ留め式(裏側につけたねじで留める)の三つの方法がある。ピアス式は、耳たぶに針が通るほどの穴をあけ、針をこの穴に突き通して留める耳飾りで、釣り針形に曲げた針を穴にひっかけるものと、穴に通した針を耳たぶの裏で留め具(キャッチ)を使い留めるものとがある。クリップ式は、耳たぶを前後から挟んで留めるクリップをつけた耳飾りで、装飾部分の大きいものに多い。使用は簡便であるが、クリップのばねが強すぎると耳が痛くなる。ほかに変わったつけ方としては、耳の上に直接張り付ける接着剤つきのパッチド・イヤリング、磁石の力を使って耳たぶを挟む磁気イヤリングなどもある。
 装飾の形には、装飾部分が耳にぴったりつくボタン・イヤリング型と、耳から垂れ下がるペンダント型(またはドロップ型)とがある。ボタン・イヤリングには、1960年代に流行したマイクロドット、ポルカドット、ポスツなどとよばれるものや、ボタン状の多様な形がある。ペンダント・イヤリングは下げ飾りがついていて、揺れ動く効果をねらったものでドロップ・イヤリングまたはイヤ・ドロップともいわれる。この系列には、シャンデリア・イヤリング(大きく豪華な飾りがついている)、モビール・イヤリング(小さく微妙に揺れ動く飾りのついたもの)、ジプシー・イヤリング(真鍮(しんちゅう)や金めっきの輪型)、タッセル・イヤリング(糸、糸状の金属、羽毛などの房飾りのついたもの)、フープ・イヤリング(輪型)などがある。風変わりなものでは、15世紀ごろの男性が、穴をあけた耳たぶに通した黒絹糸やリボンのイヤ・ストリングがある。[平野裕子]

歴史


世界
古代では装飾や呪術(じゅじゅつ)、あるいは地位の象徴として用いられた。『旧約聖書』やギリシア神話のなかにもイヤリングの記述があり、古代エジプトの壁画にはしばしば巨大な耳輪が登場し、発掘品のなかには鉄製のものや、宝石と金銀細工のペンダント型がみられる。古代ギリシアでは、男女ともに魔除(まよ)けとして用い、宝石やガラス製のペンダント型のものもあり、片耳にだけつけることも多かった。エトルリアでは精巧な金線細工や七宝(しっぽう)、真珠や白ガラスなどの多彩な発展をみせた。古代ローマになると宝石入りの長いペンダント型が流行となる。ビザンティンではおおむねこれを踏襲したが、中世には、ベールをかぶる習慣から一般に衰退した。16世紀になるとふたたびイヤリングは盛んに用いられるようになり、バロック時代には男性にも広く愛好された。これまでのピアス式に加えて、17世紀にはクリップ式やねじ留め式のものが考案された。18世紀は真珠の大流行をみた時代であるが、当然イヤリングにも反映している。18世紀末にはダイヤモンドに加えてサファイアやエメラルド、19世紀初頭にはふたたびカメオをあしらったものが登場し、ブローチやブレスレットなどとペアになったデザインはこのころからみられる。19世紀の後半、一時下火になっていた流行に再度火がつく。しかし特別の場合を除いては、かつてのように常時つけることは少なくなってきた。20世紀になって、断髪の流行を反映して、宝石もの(第一次世界大戦後は模造宝石のもの)が愛好されたが、広く一般化したのは第二次世界大戦後である。[平野裕子]
日本
日本列島において、耳飾りの習俗の存在が考古学的証拠から確かめられるのは、縄文早期末である。石を直径3センチメートルほどの環状に研磨し、その一端に切り込みを入れた(けつじょう)耳飾りとよぶタイプのもので、耳たぶに穴をあけて、環の端を穴に差し込んで装着する。この石製状耳飾りは、縄文前期に列島全域にみられ、中期まで用いられる。まれに骨製のものもみいだされる。土製の耳飾りは、縄文中期に出現し、直径1センチメートル、長さ1.5センチメートルほどの臼(うす)形をしているもので、耳たぶの穴に挿入する。縄文後期から晩期にかけては大小さまざまの挿入タイプの土製耳飾りが主流となる。なかでも、大形のものは、直径5センチメートルほどもある滑車形をしており、耳たぶの穴を拡張してはめ込んだとみられる。滑車形耳飾りに限らないが、耳の前面に位置し、他人の目につきやすい部分には、複雑な透(すかし)彫りで飾られたものが多い。滑車形は最大径9センチメートルのものも知られる。この滑車形タイプの耳飾りをつけた土偶も、しばしば出土している。特殊なものでは、サルの橈骨(とうこつ)製の管玉(くだたま)状耳飾りが出土しているが、これを身につけた者は、集団のなかで特別な役割を担ったとみられている。縄文時代の耳飾りの装着者は、土偶の表現からみて女性が優占していた可能性があるが、男性も用いていたとみられる。小児期に耳たぶに穴があけられ、成人に達すると大形の装着が完了するという儀礼プロセスの存在は、当然考えられる。
 興味深いのは、弥生(やよい)時代になると耳飾りとみられるものは、まったく確認できない。耳飾りのもつ社会的意味づけの変化によるものか、それとも石製や土製のものでなく、現在東南アジアなどにみられる竹製や木製のものに変化し、遺存例が発見しにくくなったためであろうか。その後、古墳時代中期になると、朝鮮半島からもたらされた細い金環に垂(たれ)飾りを鎖でつけたものが有力者に用いられている。6世紀後半には、直径5ミリメートルほどの銅環に金や銀のめっきをしたものや地金のままの耳飾りが普及する。人物埴輪(はにわ)の耳には、このタイプの耳飾りを装着した表現が少なくない。奈良時代以後、この習俗は、近代になるまで復活しない。[大塚和義]

習俗

耳たぶは身体のなかでも加工がしやすいため、穴をあけてさまざまな素材、形態の飾りをつける習慣が世界中でみられる。素材には、木、木の実、花、動物の骨や牙(きば)、金属、石などが用いられる。その記号としての意味も、魔除けや呪術的力をもつ、地位や身分を示す、性的魅力を強調するなど多様である。南太平洋、ポリネシア南西部にあるクック諸島では、子供の耳たぶに魚の骨で穴をあけ、それを小枝で広げてハイビスカスなどの花を差し込む。また赤い鳥の羽根は首長がそのしるしとしてつけるという。それに対し、ある神の像は黒い鳥の羽根の耳飾りをつけている。クック諸島ではこのほかに、ココナッツの殻や、木の筒、クジラの歯なども使われている。クジラの歯のものは首長がよくつけたという。インド中央部の下層のカーストでは、耳たぶに穴をあけて飾りをつけることが、カースト社会のメンバーとして認められたしるしである。これは子供が4、5歳のときに行われるが、それ以前はカーストのメンバーとはみなされず、したがってだれからでも食物を受け取ることができる。ここでは、耳は身体の他の開口部と同様、あらゆる穢(けが)れを受け入れやすい危険な部位であり、耳飾りをつけることによる呪術的力によって防御されねばならないのである。
 マレーシアでは女性のイニシエーション(入社式)として耳に穴をあける儀礼が行われていた。このときにつける大きな円形の耳輪は処女のしるしであって、未亡人が再婚するときには、この処女の花嫁の耳輪がつけられ「飾られた未亡人」とよばれる。現在ではごく小さい子供のときに耳に穴をあけるという。
 世界でもっとも耳飾りに凝るのはアフリカの諸民族、とくにマサイやサンブル、トゥルカナなどの東アフリカの牧畜民であろう。彼らは子供のころに耳に穴をあけ徐々に大きくしていく。耳飾りの素材は、金属、ビーズ、動物の角(つの)や牙など多様でたいへん美しい。サンブルでは結婚に際して花婿から花嫁に贈られる品物のうちに二つの銅の耳飾りが含まれている。
 また、南アメリカの民族スヤが耳飾りに与えている意義はたいへん興味深い。スヤ語で「聞く」を意味することばは「わかる」「知る」をも意味するという。社会的規範は「聞く」ことによって理解されるので、道義を知る人間は「よく聞く」と評され、規範を守らない人間は「よく聞かない」とされる。この「聞く」能力は成人の男女ともに求められ、そのしるしとして、思春期に耳たぶに穴をあけて木製の円盤をはめるのだという。ちなみに、「話す」能力のしるしとしての下唇にはめる円盤は男のみがつけるのである。[加藤 泰]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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