アブサロムとアキトフェル(読み)アブサロムトアキトフェル(その他表記)Absalom and Achitophel

デジタル大辞泉 の解説

アブサロムとアキトフェル(Absalom and Achitophel)

ドライデンによる詩。1681年発表。当時の英国王位継承を巡る政治状況を巧みに風刺した作品

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改訂新版 世界大百科事典 の解説

アブサロムとアキトフェル
Absalom and Achitophel

イギリスの詩人J.ドライデンの筆になる政治風刺詩。1681年刊。時の国王チャールズ2世の王位継承問題をめぐる政治陰謀を,旧約聖書サムエル記》下に語られたダビデの王位継承紛争になぞらえて語る。チャールズの庶子モンマス公アブサロムに,陰謀の政治家シャフツベリー伯はアキトフェルにたとえられる。風刺の激しさと英雄対韻句の正確さで,時代の文学を代表する力作である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アブサロムとアキトフェル
Absalom and Achitophel

イギリスの詩人 J.ドライデンの風刺的物語詩。 1681年刊。チャールズ2世の頃,シャフツベリー公の一派が王位継承者として王弟ヨーク公を排除し,王の庶子モンマス公擁立を企てたが,81年,シャフツベリーは反逆罪で告発された。その裁判をめぐり,王と王弟に有利に導くという政治目的をもって書かれたもの。内容は旧約聖書『サムエル記』の,ダビデの子アブサロムが,重臣で陰謀家のアキトフェルにそそのかされて父王に反逆する話を利用したもので,旧約聖書の人物をかりて両派の主要人物の姿や動機を描き分け,当時の政治情勢をこえて現代読者にも興味深い作品となっている。イギリスの政治風刺詩の代表的傑作。第2部 (1682) は主として N.テートが書き,ドライデンが加筆したもの。

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