アブドゥッラー・イブン・ヤーシーン(その他表記)`Abd Allāh ibn Yāsīn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アブドゥッラー・イブン・ヤーシーン
`Abd Allāh ibn Yāsīn

[生]?
[没]1059. カリーフラ
北アフリカのイスラム王朝ムラービト朝 (1056~1147) の創始者。マーリク派の法学者であったが,メッカ巡礼からの帰路に会ったモロッコサンハージャ族の有力者に請われてモロッコに行き,宣教に従事した。セネガル川にある小島に根拠地を建設し,それをリバート (イスラム教徒の修道場) と呼び,彼に従う信者をムラービトゥーン (リバートに住む人々) と呼んだ。厳格なイスラム教を説き,ムラービトを戦士にして,周辺のベルベル人を組織した。政治・財政上の実権を握り,軍事遠征には有能な将軍を起用して,南部の黒人居住地や北部の地中海沿岸を征服してムラービト朝の基礎を築いた。 1059年みずから軍を率いて地中海沿岸に遠征したとき客死し,そこに葬られた。

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