ベネディクツス10世(読み)ベネディクツスじっせい(その他表記)Benedictus X

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベネディクツス10世」の意味・わかりやすい解説

ベネディクツス10世
ベネディクツスじっせい
Benedictus X

[生]?
[没]1073以降. サンタニェーゼ
教皇ニコラウス2世在位 1059~61)の対立教皇(在位 1058~59)。本名 Giovanni Mincio。ローマ近郊のベレットリの司教だったが,教皇ステファヌス9世(10世。在位 1057~58)の死後,ローマの有力貴族ツスクルム家に支持され教皇座についた。しかしまもなく,のちに教皇グレゴリウス7世(在位 1073~85)となる改革派の司祭ヒルデブラントとドイツの裁判所により教皇座から追放され,サンタニェーゼの修道院に幽閉された。ベネディクツス10世の追放後,不法な教皇選挙を避けるため,教皇選挙に関する法改正が行なわれた。1059年に新法が施行されて教皇選出の組織が規定され,これがのちに枢機卿団(→カーディナル)となり,教皇を選ぶという唯一の責任を負うこととなった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android