ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アブドゥル・ムーミン」の意味・わかりやすい解説
アブドゥル・ムーミン
`Abd al-Mu'min
[没]1163. サレ
北アフリカに興ったベルベル人によるイスラム王朝の一つムワッヒド朝 (1130~1269) の創建者で,初代カリフ (在位 1130~63) 。ムワッヒド運動の創始者ムハンマド・イブン・トゥーマルトに若くして帰依し,その片腕として同運動に献身。モロッコを中心に,ムラービト朝の勢力を一掃すべく軍事活動に専心した。教祖イブン・トゥーマルトによりその後継者に指名され,彼の死後一党を率いてムラービト朝を打倒した。国家建設後も内的秩序の確立に意を尽す一方,スペインに遠征軍を派遣するなど,対外発展に努めた。アブドゥル・ムーミンの死後,同朝のカリフは,すべて彼の子孫によって占められた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報