あぶな絵(読み)あぶなえ

百科事典マイペディア 「あぶな絵」の意味・わかりやすい解説

あぶな絵【あぶなえ】

単に〈あぶな〉とも。主として浮世絵用語。一般の美人画春画との中間的な絵。行水をつかう女の図や突風に裾(すそ)をあおられる美人の図など,女の膚をあらわにした扇情的な絵をいう。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「あぶな絵」の意味・わかりやすい解説

あぶな絵
あぶなえ

浮世絵用語。浮世絵美人画のうち,一般的なものと秘戯画 (→春画 ) との中間の作品海女,湯上がり姿,爪切り髪洗いなど,女性裸体,または普通よりも肉体部分をあらわにした女性の姿態主題にしたもの。

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世界大百科事典(旧版)内のあぶな絵の言及

【春画】より

…古くは〈おそくず(偃息図)の絵〉〈おこえ(痴絵,烏滸絵)〉といい,〈枕絵〉〈枕草紙〉〈勝絵(かちえ)〉〈会本(えほん)〉〈艶本(えんぽん)〉〈秘画〉〈秘戯画〉〈ワじるし(印)〉〈笑い絵〉などともいう。あからさまな秘戯の図ではなく,入浴の場面など女性の裸体を見せる好色的な絵は,別に〈あぶな絵〉と称して区別している。《古今著聞集》にも〈ふるき上手どもの書きて候おそくづの絵〉と記すように,落書のようなものではなしに専門の画家による春画の歴史はかなり古く,中世に入れば《小柴垣草紙(こしばがきぞうし)》(13世紀),《稚児草紙》(14世紀,鎌倉末期)など絵巻物の傑作を生んでいる。…

※「あぶな絵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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