改訂新版 世界大百科事典 「アマハステビア」の意味・わかりやすい解説
アマハステビア
Stevia rebaudiana Hemsl.
1970年に日本に導入された葉から甘味料を採る新しい作物である。属名をとって単にステビアとも呼ばれる。パラグアイ原産のキク科の多年草で,古くからインディオたちが甘味料として利用していた。
対生する葉は長さ3~5cmのやや先のとがった楕円形で,基部が細る。茎は高さが80cmほどになり,基部は若干木化する。枝分れをして,各枝先に秋になると白い小花を多数つけ,初冬まで次々と咲き続ける。種子には毛があり,風に乗って散る。種子でも挿木でも増やすことができるじょうぶな植物で,暖地では冬でも地下茎は枯れず,翌春再び株からもえ出る。葉には砂糖の300倍も甘いとされるステビオシドsteviosideという成分が含まれている。葉を摘み採って紅茶などに入れるとさわやかな甘みが出る。砂糖をひかえる人向けの甘味料の原料として使われる。薬用にも利用でき,低血糖剤の開発が進められているという。
執筆者:星川 清親
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報