日本大百科全書(ニッポニカ) 「アマハステビア」の意味・わかりやすい解説
アマハステビア
あまはすてびあ
[学] Stevia rebaudiana Bertoni
キク科(APG分類:キク科)の多年草。属名から単にステビアともよばれる。南アメリカのパラグアイが原産地。茎は高さ80センチメートルほどになり、基部は若干木化する。葉はやや先のとがった楕円(だえん)形で長さ3~5センチメートル、基部が細くなり対生する。秋から初冬まで枝先に白い小花が多数開く。種子には毛があって、風で飛んで繁殖する。葉から甘味料がとれる。甘味成分はステビオサイドとよばれ、砂糖の300倍ほどの甘さがあり、糖分を控える人向きの甘味料に使われる。パラグアイでは古くからインディオたちが甘味料として利用していた。葉を摘みとって紅茶などに入れるとさわやかな甘味が出る。また、薬用に低血糖剤の開発が進められている。日本には1970年(昭和45)ごろに導入された。種子でも挿木でも増やすことができる。じょうぶで、暖地では冬でも地下部は枯れず、翌春ふたたび株から芽を出す。
[星川清親 2022年1月21日]