化学辞典 第2版 「アミノ配糖体抗生物質」の解説
アミノ配糖体抗生物質
アミノハイトウタイコウセイブッシツ
aminoglycoside antibiotics
アミノ糖またはアミノシクリトールを含む配糖体抗生物質の総称で,放線菌や細菌などの微生物が産生する150種類以上にのぼる物質が発見されている.一般に水に易溶.塩基性である.無色で紫外部に特異吸収を示さない.細菌のリボソームにはたらいてタンパク質合成を阻害するが,とくにぶどう球菌に対してすぐれた抗菌力を有する.それらのうち,ストレプトマイシン,ネオマイシン,カナマイシンA,カナマイシンB,ゲンタマイシンC,トブラマイシンなどが有用な化学療法剤として使用され,さらにカスガマイシンは農作物病害の防除剤として,またハイグロマイシンBは家畜,家禽の駆虫剤として用いられている.カナマイシンなどの不活性化酵素による耐性機構が調べられ,それにもとづく化学誘導の研究によって,ジベカシンやアミカシンなどの耐性菌に有効な半合成抗生物質が生まれた.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報