化学辞典 第2版 「ゲンタマイシンC」の解説
ゲンタマイシンC
ゲンタマイシンシー
gentamicin C
Micromonospora purpureaまたはM.echinosporaが産生するアミノ配糖体抗生物質で,ゲンタマイシン C1:C21H43N5O7(477.59),C2:C20H41N5O7(463.57),および C1a:C19H39N5O7(449.54)の混合物.白色の粉末.融点102~108 ℃.+146°(水).水溶性塩基性物質.細菌のリボソームの30Sと50Sの両サブユニットに結合してタンパク質合成の開始反応を阻害し,コドンの読み間違いも起こす.グラム陽性菌および緑膿菌を含むグラム陰性菌に殺菌的に作用する.硫酸塩が注射および外用で使用される.嫌気的な環境や酸性では不活性で,嫌気性菌や膿瘍の治療には使わない.副作用は,腎毒性と耳毒性で,アミノグリコシド系抗生物質のなかでも強いほうである.硫酸塩はLD50 75 mg/kg(マウス,静注).[CAS 1403-66-3][CAS 1405-41-0:硫酸塩]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報