最新 地学事典 「アルゴン同位体比」の解説
アルゴンどういたいひ
アルゴン同位体比
argon isotope ratio
希ガスの一種で原子番号18のAr(アルゴン)は,36・38・40の質量数の安定同位体をもつ。現在地球大気や地球内部で見いだされる40Arのほとんどは半減期約12.5億年で,40Caおよび40Arに壊変する40Kから生じた放射性起原同位体と考えられている。地球内部では,40Kの壊変で生じた40Arの量と,その場所が地球進化の過程で脱ガスした程度に応じて,40Arと36Arの同位体比に大きな差を生じている。現在の大気中の40Arと36Arの比は295.5であるが,地球内部ではそれより大きい。海嶺玄武岩などでは3万に近い値を示すものまであるが,海洋島の玄武岩などでは数千以下,地殻を構成する岩石や鉱物はその年代に応じて大気に近いものから10万を超えるほどの変動がある。これらのAr同位体比の差から,地球内部の脱ガスの程度や進化の状態を推定することができる。一方,38Arと36Arの同位体比は,質量分別効果による変動以外はほぼ大気の値に等しい。
執筆者:兼岡 一郎
参照項目:質量分別
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

