ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イサキウス2世」の意味・わかりやすい解説
イサキウス2世
イサキウスにせい
Isaacius II Angelus
[没]1204.2.
ビザンチン皇帝 (在位 1185~95,1203~04) 。アンドロニクス1世を暴動によって殺害したあと,1185年皇帝に選出され,アンゲルス朝を創始。ノルマン軍の首都コンスタンチノープル攻撃を防いだ (1185) が,続くブルガリア遠征には失敗し,87年第2ブルガリア帝国を承認。その結果バルカン半島における帝国の影響を弱めた。首都進撃を目指す第3次十字軍とは輸送船の提供を条件にその目的をそらすことに成功 (90) 。しかし 95年ブルガリア遠征準備中弟アレクシウスの陰謀により退位,両眼をえぐられ,息子とともに投獄された。第4次十字軍の首都占領により解放され,1203年8月息子 (アレクシウス4世) とともに復位したが,十字軍に対する約束の不履行と市民の反感の板ばさみとなり,04年2月暴動で息子が虐殺され,その数日後に死亡。
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