東トルキスタン・イスラム運動(読み)ひがしとるきすたんいすらむうんどう(英語表記)East Turkestan Islamic Movement

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

東トルキスタン・イスラム運動
ひがしとるきすたんいすらむうんどう
East Turkestan Islamic Movement

東トルキスタン(中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区)の中国からの分離独立を目ざす独立運動組織。略称ETIM。ウイグル人を中心とした過激派イスラム主義組織である。中国政府ばかりでなく、アメリカ政府、国際連合からも「テロ組織」に指定されている。

 1997年、中国政府に逮捕された後に国外へ逃亡したウイグル人指導者、マフスームHasan Mahsum(1964―2003)が中心的な存在であったが、マフスームは2003年にパキスタン政府軍によって殺害され、その後のETIMは複数の指導者により率いられているとされる。アフガニスタンアルカイダタリバンと共闘関係にあるとみられ、中国国内のメディアによると、同組織はウイグル人青年をアフガニスタンのキャンプに送り込み、テロ活動の訓練を施しているという。

 2011年7月に起きた、新疆ウイグル自治区ホータンおよびカシュガルで警察官および一般住民をねらった複数の襲撃事件や、2013年10月に起きた、天安門広場に自動車が突入したのち炎上し多数の死傷者が出た事件について、同組織が犯行声明を発表している。

[矢板明夫 2019年4月16日]

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