イタリック(読み)いたりっく(英語表記)italic

翻訳|italic

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イタリック」の意味・わかりやすい解説

イタリック
いたりっく
italic

欧文活字の基本書体の一つ。一般に斜体といい、右に傾きのある書体で、強調する語句固有名詞などを示すときに使われる。イタリアの印刷家マヌティウスAldus Manutius(1450?―1515)が出版物に内容をより多く収容する目的で15世紀のアラゴン筆写体を模して創作し、1501年刊のウェルギリウス詩篇(しへん)に初めて使った。独立した書体であったが、のちにローマン書体に付属してつくられるようになり普及した。現代ではあらゆる書体の斜体を総称するようになった。

[小塚昌彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例