ドイツの生化学者。ベルリンのカイザー・ウィルヘルム生物学研究所(現、マックス・プランク研究所)においてマイヤーホーフの助手となり、以後も続いて彼の強力な協力者であった。のちベルリン大学の教授となった。1929年に筋肉の搾汁中から、筋肉の乳酸生成に関与する因子としてアデノシン三リン酸(ATP)を発見した。また解糖の中間反応に関する論文を彼単独で、またはマイヤーホーフと共著で多く発表した。1934年には、筋肉でクレアチンがATPを介して分解され、またATPも分解することを明らかにした。この反応は彼の名を冠したローマン反応として知られている。
[宇佐美正一郎]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報