イブンアッティクタカー(その他表記)Ibn al-Tiqṭaqā

改訂新版 世界大百科事典 「イブンアッティクタカー」の意味・わかりやすい解説

イブン・アッティクタカー
Ibn al-Tiqṭaqā

14世紀のイラクの歴史家。生没年不詳。第4代正統カリフアリー系統を引く家系に生まれた。モースルの支配者ファフル・アッディーンに献じた《ファフリー》の著者である。これはカリフの歴史であると同時にいわゆる〈君主の鏡〉のジャンルにも入るもので,歴代のカリフとそのワジール宰相)の伝記をさまざまな逸話を交えながら書いている。都会的な文人趣味があふれており,同時代の事実羅列主義の歴史書とは違って,読物として多くの読者を引きつけた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 湯川

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android