知恵蔵 「イラク新政府」の解説 イラク新政府 2005年12月に行われた国民議会選挙でシーア派の統一イラク連合は第1党となったが過半数の議席を獲得できず、連立政権のための長い交渉が始まった。06年4月になってヌーリ・マリキが首相として議会に指名された。首相指名が遅れたのは、統一イラク連合が推薦したジャファリ移行政権首相をクルド人とスンニ派が拒絶したからである。治安維持の失敗などからジャファリは不評であった。マリキはジャファリと同じシーア派組織のダーワの幹部である。同年5月、連立政権が成立し、議会の承認を受けた。これで国連の決議が想定したイラク民主化のプロセスは形の上では完了したが、治安は安定せず、イラクは全面的な内戦状態の瀬戸際に立っている。 (高橋和夫 放送大学助教授 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by