イラク族(読み)イラクぞく(その他表記)Iraqw

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イラク族」の意味・わかりやすい解説

イラク族
イラクぞく
Iraqw

タンザニア北部に居住する一民族。言語は南部クシ語派に属する。混血が進み,形質的には黒人種と区別できなくなったが,古い祖先はエチオピア系といわれる。イラク自称であり,他称はウンブルー。高地性草原に適応し,牛,やぎ,羊を飼育しながらとうもろこし,ミレット,ソーガム,豆類を栽培する典型的な半農半牧民。散居制で,家屋は草ぶきの円形住居と土盛りの方形半地下住居の2つの形態がみられ,屋敷の周囲に耕作地と放牧地をもち,日常生活は核家族が基本である。結婚は新規居住が原則であるが,土地,家屋は末子相続されるため,拡大家族もみられる。 60以上の外婚制父系出自集団があるが,母系的な結合関係も重要な機能をもつ。首長制はみられず,政治は長老合議制によって進められる。男女とも割礼風習があり,年齢集団の序列が認められるが,年齢組体系は存在しない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 末子

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む