ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イラク族」の意味・わかりやすい解説 イラク族イラクぞくIraqw タンザニア北部に居住する一民族。言語は南部クシ語派に属する。混血が進み,形質的には黒人種と区別できなくなったが,古い祖先はエチオピア系といわれる。イラクは自称であり,他称はウンブルー。高地性草原に適応し,牛,やぎ,羊を飼育しながらとうもろこし,ミレット,ソーガム,豆類を栽培する典型的な半農半牧民。散居制で,家屋は草ぶきの円形住居と土盛りの方形半地下住居の2つの形態がみられ,屋敷の周囲に耕作地と放牧地をもち,日常生活は核家族が基本である。結婚は新規居住が原則であるが,土地,家屋は末子相続されるため,拡大家族もみられる。 60以上の外婚制父系出自集団があるが,母系的な結合関係も重要な機能をもつ。首長制はみられず,政治は長老の合議制によって進められる。男女とも割礼の風習があり,年齢集団の序列が認められるが,年齢組体系は存在しない。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by