ウィーンの森(読み)うぃーんのもり(英語表記)Wienerwald

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィーンの森」の意味・わかりやすい解説

ウィーンの森
うぃーんのもり
Wienerwald

ヨーロッパ・アルプス北東端の山地で、オーストリアの首都ウィーンの郊外にある。アルプス北部特有のフリッシュ砂岩)帯に属するが、一部南東部は石灰岩からなる。最高峰はシェップル山(890メートル)。西はグローセ・トゥリン川、北はトゥルナーフェルト川とドナウ川、東はウィーン盆地、南はトリースティングとゲルゼンの両河川で境される。北東部はウィーン市域に属し、高原自動車道が通じており、ウィーン市民の別荘地、散策地となっている。東斜面にはブドウ畑、北斜面は牧草地の散在するブナ林、南斜面はマツ林である。ここは長らく保護林、禁猟区であったため、豊かな自然が残っている。

[前島郁雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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