ブナ林(読み)ブナりん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブナ林」の意味・わかりやすい解説

ブナ林
ブナりん

日本の温帯の代表的な夏緑広葉樹林古代から日本の山地自然林を形成してきた。縄文時代以来,人々は,生息する自然の恵みによって生活を立て,日本文化の源泉である山住み文化をはぐくんできた。しかし第2次世界大戦後,より効率的な森林利用を目的として,成長の速いスギヒノキなどの植林が進み,特に 1955~65年頃の人工造林(→造林)の拡大によって,ブナ自然林は急速に伐採された。その後,これが山河荒廃自然災害の発生などにつながることが認識され,また木材需要の減退とも相まって,しだいにブナ林保護の動きがみられるようになった(→森林破壊)。1989年林野庁による「森林生態系保護地域」が制度化されると,ブナ原生林が残る白神山地などが指定地域となり,保護が本格化した。日本海側と太平洋側では林相や遺伝情報の異なる森林類型をもつ。(→ブナ科

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