日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウェイクフォレスト大学」の意味・わかりやすい解説
ウェイクフォレスト大学
うぇいくふぉれすとだいがく
Wake Forest University
アメリカ合衆国ノース・カロライナ州のウィンストン・セーラム市Winston-Salemにある私立の総合大学。同州でもっとも古い大学の一つであり、南東部の私立大学のなかでも評価が高い。1834年、ノース・カロライナ州バプティスト連盟the North Carolina Baptist State Conventionが購入した農園跡地をもとに設立され、聖職者ならびに信徒の育成を目的とし、人道主義改革運動の礎となった。設立当初、キャンパスが同州のウェイク郡にあり、「ウェイクの森Forest of Wake」とよばれていたことから、大学名となった。1839年、ウェイクフォレスト・カレッジWake Forest Collegeとなり、その後、キャンパスをウィンストン・セーラムに移転、1967年に現在の名称となった。1942年に初めて女子学生を受け入れている。
学士課程は文理学部と経営・会計学部の二つ、大学院および専門職大学院は法学、経営学、医学、文理、神学の五つから構成されている。専攻の数は37。大学院の課程を有するものの、伝統的にリベラル・アーツ教育(幅広い教養教育)と専門職業教育の双方を重視してきた。2006年現在、学生数6739名、専任教員数372名。教員対学生数比は1対10である。中規模大学ながら、教員と学生の交流が密であり、きめ細かい丁寧な指導を受けられ、なおかつ、大規模大学並みの施設設備も備わっている。学業の厳しさでも知られ、その学士課程教育の質の高さにより、雑誌『USニューズ・アンド・ワールドリポートU.S. News and World Report』の2007年全米大学ランキングで30位に入っている。学士課程と大学院課程を結びつけた独自の5年制会計学プログラムや、学生の半数以上が在学中に海外留学経験をもつなど国際色豊かなことも同大学の魅力とされている。学生スポーツのフットボール、男子バスケットボールでも有名である。
なお、ウィンストン・セーラム市は、大手タバコ会社R.J.レイノルズ社の本社があることから、タバコの銘柄ウィンストン・セーラムでも知られる。
[杉谷祐美子]