バプティスト派(読み)ばぷてぃすとは(その他表記)The Baptist 英語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バプティスト派」の意味・わかりやすい解説

バプティスト派
ばぷてぃすとは
The Baptist 英語
Baptisten ドイツ語

プロテスタントキリスト教の最大教派一つ幼児洗礼を認めず、自覚的信仰に基づく浸礼を主張してバプティストと称する。信仰と生活の唯一の権威としての聖書、信仰者の洗礼、集められた信仰者の教会、信仰者の祭司性、各個教会の自治、教会と国家の分離などの特色ある主張にたつ。そのおこりは、17世紀イギリス分離派ピューリタンのジョン・スミスにさかのぼる。彼は迫害からアムステルダムに逃れたが、仲間の一人トマス・ヘルウィスが帰国してイギリス最初のバプティスト教会をロンドンに組織した(1612)。アルミニウス説にたったので「一般バプティスト」と称され、これに対しカルバン主義の「特定バプティスト」がおこる。ジョン・バニヤンは後者に属する。バプティストのアメリカにおける発展は目覚ましく、黒人の間でも最大の教派となり、ヨーロッパでは、イギリス、ドイツなどに信徒数が多く、その他の大陸でも活発な伝道が行われている。日本では、1860年(万延1)ゴーブルによって伝えられ、太平洋戦争後は日本バプテスト連盟日本バプテスト同盟の二つの連合体がある。

[小笠原政敏]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「バプティスト派」の解説

バプティスト派(バプティストは)
Baptists

幼児洗礼を認めず,自覚的な信仰告白後に浸礼によるバプテスマを行うことを主張する教派で,17世紀初頭におこった。再洗礼派とは区別され,イギリスに起源を持つ。カルヴァン主義に立つものと,それ以外の2派が存在した。バンヤンなどの優れた説教者を生み,長老派会衆派と並ぶプロテスタント三大教派の一つに発展した。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のバプティスト派の言及

【ロシア】より

… 西ヨーロッパから伝わった合理主義的色彩の強い分派もあった。18世紀にウクライナやボルガ下流地方に入植したドイツ人のもたらしたメノー派,19世紀の60年代にやはりドイツ人入植者を中心にウクライナと南ロシアで急速に広まったバプティスト派がそれである。後者はロシア人のあいだでは時禱派(シトゥンディストshtundisty)の名でよく知られた。…

※「バプティスト派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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