ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウェント」の意味・わかりやすい解説
ウェント
Went, Friedrich August Ferdinand Christian
[没]1935.7.24. ワセナール
オランダの植物生理学者で,植物ホルモン研究の創始者。アムステルダム大学に学び,1886年に学位取得。植物細胞内の液胞は既存の液胞からのみ生じる,という内容の彼の学位論文は,当時注目を集めた。 91~96年の間,ジャワのサトウキビ研究所所長の職にあって,この作物のウイルス病を研究し,防疫に尽力した。帰国後,ユトレヒト大学教授となって 1934年まで在職し,同大学をヨーロッパにおける植物学研究の中心地に育て上げた。彼は植物ホルモンの生理作用に関する研究を行なったが,それは息子のフリッツ Frits W. Wentに引継がれ,28年,フリッツは植物ホルモンを植物の体外に取出すことに成功した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報