日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウコンウツギ」の意味・わかりやすい解説
ウコンウツギ
うこんうつぎ / 鬱金空木
[学] Macrodiervilla middendorffiana (Carr.) Nakai.
スイカズラ科(APG分類:スイカズラ科)の落葉低木。名は、花が黄緑色であることによる。高さ1~2メートル。7~8月、枝の先端に1、2個の花をつける。雄しべは5本あり、キク科のように葯(やく)は花柱の周りに集まって密接している。子房は下位、2室で、紡錘形。果実には萼(がく)が宿存し、細長い翼のある種子を多数つける。青森県、岩手県と北海道の亜高山帯の低木林中に生え、樺太(からふと)(サハリン)、南千島、東シベリアに分布する。タニウツギ属Weigelaに近いが、胚珠(はいしゅ)のつき方、果実、種子の形などから区別される、1属1種の植物である。タニウツギ属とする見解もある。北アメリカ産のアメリカタニウツギ属Diervillaとも近縁である。
[福岡誠行 2021年12月14日]