ウシノシッペイ(読み)うしのしっぺい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウシノシッペイ」の意味・わかりやすい解説

ウシノシッペイ
うしのしっぺい / 牛竹篦
[学] Hemarthria sibirica (Gandog.) Ohwi

イネ科(APG分類:イネ科)の多年草。稈(かん)はやや扁平(へんぺい)で、斜上し、高さ0.8~1.2メートル。葉は長さ7~15センチメートルで緑白色。8~9月に上部の葉腋(ようえき)に穂状花序をつくる。小穂は2小花をもち、対(つい)をなして太い花序の中軸の凹入部にはめ込まれ、小穂柄と花序の節間は合生する。第1包穎(ほうえい)の先は鈍く革質。本州、四国、九州の平野湿地に生え、朝鮮、中国、ウスリーに分布する。名は細長い円柱形の花序を牛の竹篦(しっぺい)に例えたものである。本州の暖地、沖縄とアジアには小穂がわずか4ミリメートルしかなく、第1包穎は先端が急に細まるコバノウシノシッペイH. compressa (L.f.) R.Br.が分布している。

[許 建 昌 2019年8月20日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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