デジタル大辞泉 「竹篦」の意味・読み・例文・類語
しっ‐ぺい【▽竹×篦】
2 片手の人さし指と中指とをそろえて相手の手首を打つこと。しっぺ。
禅家の用いる法具の一種。弓を半分に切ったような,竹製の〈へ〉の字形のもので,握りの部分に籐(とう)を巻き,多く漆塗りにする。〈しっぺい〉は漆篦の宋音とされる。
一般に〈しっぺい〉と呼ぶのは,食指と中指をそろえて相手の手首や甲を打つ遊戯で,〈指しっぺい〉ともいう。簡単な賭事(かけごと)をして勝者が敗者に対して行ったり,交互に手をさし出して打たせ,手を引いて空を打たせて興ずるなどの遊び方がある。この遊びから出たことわざが〈しっぺい返し〉で,仕返しをすること,すぐにそれを行うことをいう。なお,日本中に分布する昔話の《猿神退治(さるがみたいじ)》は,人身御供(ひとみごくう)を要求する神を旅人が退治するという話であるが,東日本では〈しっぺい太郎〉という名の犬が登場して,重要な役割を果たすことが多い。《今昔物語集》や《宇治拾遺物語》にもこの話があるが,犬の名はない。なぜ,その犬に〈しっぺい〉の名が与えられたのか,興味ある問題である。
執筆者:編集部
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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