ウドムルト語(読み)うどむるとご(英語表記)Удмурт/Udmurt

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウドムルト語」の意味・わかりやすい解説

ウドムルト語
うどむるとご
Удмурт/Udmurt

ウラル語族フィン・ウゴル語派に属する言語で、ロシア連邦のボルガ川東の支流カマ川の西岸にあるウドムルチア共和国で話されている。言語人口約74万7000。ウドムルト語が自称だが、ボチャーク語Votyakともよばれてきた。コミ語とともにペルム語を形成する。ウドムルト語には、音声的に5母音[i, e, a, o, u]のほかに中舌母音ï[ɨ]とë[ə]がある。形態的に名詞は15格に変化し、所有語尾をもつ。動詞は人称と数で時制により変化する。nïl lïd´d´ž´e kniga-ez.「少女が・読んでいる・本を」。

小泉 保]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ウドムルト語」の意味・わかりやすい解説

ウドムルト語【ウドムルトご】

フィン・ウゴル語派フィン語派に属す言語。コミ語とともにペルム諸語とよばれる。ボチャーク語とも。ウラル山脈西側,ロシアウドムルト共和国で主として話され,ロシア字正書法による文章語を採用している。フィンランド語マリ語などと近縁話し手の数は,ウドムルト人など約60万人。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウドムルト語」の意味・わかりやすい解説

ウドムルト語
ウドムルトご
Udmurt language

ロシア,ウドムルト共和国に行われている言語で,ウォチャーク (ボチャーク) 語とも称される。ウラル語族のフィン語派に属し,コミ語とともに,ペルム諸語といわれる。話し手約 60万人。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のウドムルト語の言及

【ウドムルト[共和国]】より

…ウドムルト人はフィン系の民族で,ボチャーク人ともよばれる。フィン・ウゴル語系のウドムルト語(ボチャーク語)を使用し,宗教はロシア正教である。現在でこそ人口の約3分の1になっているが,本来はこの地域の主要民族であった。…

【ボチャーク語】より

ウラル語族のフィン・ウゴル語派の中でフィン語系に属し,ジリャン語(コミ語)とともにペルムPerm語派を形成している。ロシアではウドムルト語Udmurtと呼ばれ,ボルガ川の東の支流カマ川の東側と南側,すなわちウドムルト共和国を中心としバシコルトスタンタタールスタン両共和国へも広がっている。言語人口は71万4000(1979)でそのうち76.5%が母語としている。…

※「ウドムルト語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android