改訂新版 世界大百科事典 「ウルシニア」の意味・わかりやすい解説
ウルシニア
Ursinia
春の花壇や鉢植えによい南アフリカ原産のキク科の一年草。原種は約60種もあるが,ふつう栽培されるのは,ウルシニア・アネトイデスU.anethoides N.E.Br.である。草丈30~40cm,葉は羽状複葉で互生し,よく分枝して直立する。先につくつぼみは下向きであるが,開けば上向きとなり,美しい橙色の花を開く。花径は5cm,舌状花の基部には黒紫色の斑(ふ)があって輪紋に見える。中心の管状花は種子が熟すと苞片が乾膜質となり,風に飛び散る。種まきは9~10月,苗はフレームで小鉢植えとして越冬させ,4月に花壇に植え出すか,鉢植えとする。鉢植えの場合は,小苗のうちに矮化剤を散布しておくと草丈20cmで開花するようになる。栽培中は十分日光にあて,粗粒の用土で徒長しないように注意する。寒地では早春にフレームにまき,5月に植え出せば6月に開花するが株張りは少ない。
執筆者:浅山 英一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報