ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エッカート」の意味・わかりやすい解説
エッカート
Eckert, J. Presper, Jr.
[没]1995.6.3. ペンシルバニア,ブリンマー
アメリカ合衆国の技術者。世界初の汎用コンピュータの共同発明者。フルネーム John Presper Eckert,Jr.。ペンシルバニア大学ムーア校電気工学科で学び,1941年学士号,1943年修士号取得。教授のジョン・W.モークリーとともに計算機器に重要な改良を施した。 1946年,2人は政府の依頼で,ENIAC; Electronic Numerical Integrator and Computerと呼ばれるデジタルコンピュータを開発。 ENIACには原始的ながら,今日の高速デジタルコンピュータに使われるほぼすべての回路が組み込まれていた。このコンピュータは,陸軍が弾道計算に使用した。 1948年,エッカートとモークリーはコンピュータ製造会社を設立,翌 1949年,パンチカードに代えて磁気テープに情報を記録する二進法計算機 BINAC; Binary Automatic Computerを開発した。3号機 UNIVAC I; Universal Automatic Computerは,商用データ処理用のコンピュータとして商業界で多くの用途に供され,コンピュータブームのさきがけとなったといわれる。 1948~66年の間に,エッカートはおもに電子分野の発明で 85の特許を取得した。 1967年,アメリカ工学アカデミー会員に選出され,1969年にはアメリカ科学賞を受賞した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報