化学辞典 第2版 「エピクロロヒドリン」の解説
エピクロロヒドリン
エピクロロヒドリン
epichlorohydrin
1,2-epoxy-3-chloropropane.C3H5ClO(92.52).ラセミ体のものが知られている.グリセリンから得られるα,γ-ジクロロヒドリン,またはプロピレンから得られる2,3-ジクロロプロピルアルコールをアルカリで脱塩化水素して合成される.特異臭をもつ無色の液体.融点-25.6 ℃,沸点117.9 ℃,引火点40.6 ℃.1.1812.水に不溶,普通の有機溶媒に易溶.活性水素をもつ化合物と反応して種々の開環付加物をつくる.フェノールまたは有機酸の金属塩と反応してグリシジルエーテルまたはエステルをつくる.溶剤,エポキシ樹脂原料,合成ゴム原料,塩素化ゴム安定剤として広く用いられる.有毒.液体は皮膚から吸収され,蒸気は粘膜を刺激し,長期間取り扱うと慢性の疲労,結膜炎,胃腸疾患などを起こす.[CAS 106-89-8]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報