エージェント機能(読み)えーじぇんときのう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エージェント機能」の意味・わかりやすい解説

エージェント機能
えーじぇんときのう

コンピュータにユーザーのエージェント(agent=代理人)のような機能をもたせたソフトウェアモジュール。大量の情報環境のなかで自律的に作業するように考えられており、ネットワークに接続されたパソコンや個人用の情報端末に常駐して、多数の情報を細かい指示を与えなくとも、有能な秘書のようにユーザーの意思をくんで処理する。たとえば、電子メールで航空機の座席予約をすると、相手のコンピュータに送り込まれたメールがデータベースを検索し、もし満席ならば次善の便の予約をする。また、ネットワークに送り込むと、通信路を監視し最適な経路を探すなどの働きをする。エージェント機能は、複数のエキスパートシステムの協調した稼働によっても実現される。たとえば、地域的に分散配置されている一群の知識システムに、ネットワークを介して相互に協調し補完させることにより、1システム以上の力を発揮させることができる。この種のオープンシステムをマルチエージェント・システムとよぶ。今日では、インターネット上で各種のエージェント間がお互いに情報の交換ができるよう、対話言語の標準化が進められるなど、エージェント・シティの建設が目ざされている。なお、おもにスマートフォンで採用されている、音声による入力に従ってコンピュータが自動的に判断して処理を行うものは、音声エージェント機能とよばれる。

[岩田倫典]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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