日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオアワガエリ」の意味・わかりやすい解説
オオアワガエリ
おおあわがえり / 大粟還
timothy
[学] Phleum pratense L.
イネ科(APG分類:イネ科)の多年草。茎葉を飼料とし、一般にはチモシーとよばれる。葉は長さ10~60センチメートル、幅5~10ミリメートル、縁(へり)はざらつく。茎は直立し、高さ約1メートル、基部は肥大して鱗茎(りんけい)となる。初夏に茎の先端に穂を出す。穂は小穂が密に集まった円柱状、長さ3~十数センチメートル、径は1センチメートル弱で、淡緑色。原産地はヨーロッパからシベリアにかけての地域で、冷涼な気候を好み、日本へは明治初期に導入され、北海道での栽培が多い。最近では各地の野原に野生化もしている。発芽時は過湿な条件を好み、水中でも発芽する。種子に水を与えると比較的そろって発芽し、緑鮮やかで美しい。キヌイトソウ(絹糸草)と称し盤景に用いる。
[星川清親 2019年8月20日]