改訂新版 世界大百科事典 「オオツヅラフジ」の意味・わかりやすい解説
オオツヅラフジ
Chinese moonseed
Sinomenium acutum(Thunb.)Rehd et Wils.
1属1種のツヅラフジ科の落葉つる性木本。ツヅラフジ,アオカズラの名もある。雌雄異株。葉は互生し,広卵形から円形,3~7裂し,葉柄は長い。7月ごろ,葉腋(ようえき)からでる円錐花序に淡黄色の小さな花をたくさんつける。萼片6枚,花弁6枚,雄花ではおしべ6~12本,雌花では仮雄蕊(かゆうずい)3本,めしべ3本。10月ごろ,核果が黒色に熟す。本州(関東以西),四国,九州に分布し,台湾,中国にまで及ぶ。根茎,茎はアルカロイドのシノメニンsinomenineを含み,漢方で防已(ぼうい)と称され,消炎,鎮痛,利尿に効く薬として利用されている。また乾いたつるは,あみもの細工の材料になっている。
執筆者:寺林 進
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報