おかわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「おかわ」の意味・わかりやすい解説

おかわ

お厠(かわや)を略した女房詞(にょうぼうことば)。屋内用の便器で、「おまる」「こばん」「しびん」などともいう。住宅建築の一施設として、屋内に便所を設けることは比較的新しい。農家では肥料をとるために、近年まで別棟の便所を使っていた。おかわは飛鳥(あすか)・奈良時代に中国から伝来したといわれ、平安時代には寝殿造の生活に重要な調度であった。曲物(まげもの)で小判形につくり、箱形のものもある。上流社会では螺鈿(らでん)、蒔絵(まきえ)を施したものも使い、蓋(ふた)をして箱に収めるものもあった。現在はブリキ、ほうろう引き、ガラス製のものが多く、老人、幼児や病床で使う。寒い地方で多く用い、雪国では嫁入り道具の一つとして欠かせないものであった。

[井之口章次]

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